芋吹きの仕方

実践編

1) 芋の切り方

イ)先ず親木の根と芋を綺麗に洗っておきます。

ロ)根は最小限、羅紗地系統では2本、薄葉系統では3本以上付けて切ります。また、地球宝などは、もともと根の少ない品種ですから、芋を大きくすれば根が無くても吹きますが、普通2,3本は付けています。

ハ)ランセットをアタリの上部すれすれにいれます。切る時、ランセットを固定したまま、おもとを動かすようにして一気に切り取ります。若木の芋は柔かく、老木の芋は堅いので、芋の堅さに応じて力を加減します。

ニ)芋の左右に同じ大きさのアタリがあるとき、多少アタリに大小の差異が有っても、根の配置を考慮して、ほぼ同じ勢力のときは、そのまま丸芋として芋吹きをします。

ホ)芋の左右にアタリが2つ以上あり、しかも大小の差がはなはだしいときは、切り取った芋を更に2つに割ります。この時芋の大小はアタリの勢力を判断して勢力の弱いほうに芋を多く付けます。

ヘ)アタリが首の近くにあって、芋を切ると親に根の付かない場合があります。普通こんな場合、無理をして芋を切る必要は無いのですが、種類によっては(縞甲竜系統など)差し支えの無いものもあり、おもと作りのベテランの方々の間では、良く行われております.。この場合、根の無い親木は、首元に根の代用として竹か箸のようなもので支柱を付け、水苔を巻いてやや深めに植え込みます。また、下図のように「コップ漬け」という方法で根を出させる方法も用いられています。

 

2) 芋吹きの仕方


1.葉の基部よりやや下にある白いこぶのような物がアタリで、普通左右二つ有ります。アタリに根が何本つくかを調べます。

2.アタリより上の根は普通親木に付けます。アタリに付く根が決まったら、ランセットをアタリの上から入れ、刃先を動かさずに、おもとを動かして切ります。

3.八分通りきり終わった段階で、一度ランセットを抜いて

4.切り口を広げて、丁寧に切り離します。ランセットで根に傷をつけないように気をつけましょう。

5.あらかじめ用意してある水苔を右手に持って

6.芋の根を静かに広げ、根が少し広がる程度に水苔を差し込みます。

7.少し根が広がっている状態まで、広げた根を元に戻します。

8.今度は根の上に水苔をあてて包み込みます

9.ラベルを付けて、木綿糸かビニール糸で縛ります。縛った時、芋を包んだ水苔の堅さは人によって違いますが、普通結ぶ時に木綿糸が切れない程度にします。

10.芋の切り口より上の水苔は切り落とします。

11.これで芋吹きの準備が完了です

12.トタンまたはビニールを張った木箱に6cmの厚さに、軽く抑えて水苔を敷く

13.箱の周囲に芋吹きの高さに水苔を置く

14.芋吹きを押し詰めたら隙間の出来ないように少量の水苔を当て、次にまた芋吹きを詰めてゆきます。こうして次々に芋吹きをつめて行きます。

15.詰め終りましたら、布を掛け、温湿度の少ない所に置きます。7~10日前後で切り口が柿色に成ります。この頃、僅かに湿った水苔を6cm内外の厚さで被せます。

16.早いものは20日、普通40日でアタリは割れて、芽の形になってきます。

17.このくらいに成長したら抜き取ります。

18.大きな鉢に芋吹きを数本または10数本、隙間には水苔を詰めて、仮植えをします。水苔の湿りは箱の中の苔と同じ程度に保ちます。

19.本葉が成長して、1~2cmになったら(普通2枚の葉が見えている)本植えにして風の良く通る涼しい窓際に置きます。

20.本植えにして成長が見え出したら、棚に出して朝日に20~30分当ててからヨシズの下または日陰で風のよく通る涼しい棚に置きます。潅水は普通朝ごく少量やる程度です

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