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班の全然無い普通の葉で、単に青葉、青とも言っている。おもとでは緑の濃淡は紺(青)の強さ、つまり紺(青)と黄の含有比で決まると考え、紺性の強弱で表現している。
黄緑は淡緑とも言い、紺性が弱いと表現する。
青緑は濃緑とも言い、紺性が強いと表現する。

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白覆輪と黄覆輪とが有り、葉の縁に白か黄の条班が出る。
覆輪は周縁キメラで、緑色組織を中に、白色組織を手袋の様に被せた構造である。葉は内組織によって形成されるので、覆輪は最も安定した班となる。覆輪は品種によって浅い深いがある。浅い覆輪を糸覆輪、深い覆輪を深覆輪、略し深フクといい、葉先の部分だけ綿帽子を被ったように現れるのを帽子、または、爪覆輪(つめふくりん)という。
無地や縞物から覆輪が回る過程として、稚葉に爪覆輪が先ず現れるものである。

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淡い緑の葉や、葉の中心が白または黄色の中班や白班の葉、根岸班の葉の縁に濃緑の覆輪が回ったものを紺覆輪(こんぷくりん)または青覆輪(せいふくりん)という。

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縞には白縞、黄縞の色彩の違いと、班の部分が多く派手なものと、逆に地味なもの、覆輪縞のように覆輪と縞が複合して現れるものなど変化が激しい。縞は総体に狂いやすい性質があるため、葉全面に細かく平均して流れるものが狂いも少なくてよい。芋にも縞があり、芽の部分に班が有る時、幽霊になる。葉の縞の出方とその実生の葉の出方とは大変似ていて、相関関係にある。

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胡麻班は、白班、根岸班のように、班が鮮明に抜けるという事はまず少ない。幾分くすんでいるのが特徴である。縞、覆輪はキメラ班であるが、胡麻班は遺伝性の班である。胡麻班は緑の細かい点が密にあり、常に緑の量が班に比べて多い。胡麻班は緑の縞が流れることは無い。したがって一枚の葉で、縞のように暗い胡麻班と明るい胡麻班が縞になることは品種によってある。胡麻班品種から根変わりで青葉(無地)が生えることは滅多にない。

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根岸班は緑の縞がごく短く、細かく斑点のように流れた班で、緑と班の割合は緑の量が班と同量になっても多くなることはない。根岸班は班が純白であるのが特徴である。根岸班は緑の部分が班よりも隆起している為、千代田の松の様に激しいものは打ち込み班とも呼んでいる。この班は遺伝性であり白班の遺伝子と結びやすく中間の班が多い。根岸班は緑の縞が紺覆輪に成ることも有り、根変わりして青葉(無地)が生えることがしばしばある。千代田の松の根岸班は千代田班ともいう。

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白班は胡麻班と根岸班の中間の存在で、緑と班の比率は品種によってまちまちである。胡麻班に近い白班、根岸班に近い白班とあり、大概は緑の縞がある。その為青葉が根変わりで生える。永島は典型的な白班縞で、一株の中で暗い白班と、明るい白班が生える。鎧掛の松、金城の松は根岸班に近く、錦松は胡麻班に近く黄色い地に細かい緑点が有る白班である。白班は遺伝性の班である。

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白班に近い班が葉縁を取り囲んでいるのがおもとの砂子班で、これを砂子覆輪という。優性遺伝子で高率に実生ででる。群雀の遺伝子と結びやすく、砂子群雀の別名がある。葉の背面に砂子覆輪が覆い被さって、いわゆる糊を引くことがある。錦王雀はその良い例である。

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虎班はおもとの班の中で縞と並んで歴史が古い。虎班は白色の大きな班が葉先から下へ、葉全体の1/3〜1/2ほど流れる「流れ虎」、不整形の境界の解り難い「ぼかし虎」、星の様に葉全面に散らばる「星虎」などがある。
虎班には後冴えや後暗みがあり、後暗みの虎班は一般に発芽当初は純白で後で緑になってしまうものである。逆に後冴えは発芽当初は黄色く、緑の部分と区別がつかないが、葉が伸びるにしたがって虎がはっきり冴えてくる。虎は遺伝性でもキメラ性でもなく、バイラスと言われている。

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当初は虎班とされていた班であるが、虎班がバイラスでは無いかと言う疑問から見て、鷲高隈に見られる班は、その実生からも同様の班が得られる事から、矢筈に近い班である事が解った。横班は実生で得られ、突然変異で出来る図虎とは全然班の性質が違う。横班は発芽当初クリーム色に出るが、直射日光を受け続けると、班は消えて緑葉になってしまう。従って、発芽当初は薄暗い所で十分に新葉を伸ばし、班がクリーム色から白色に変わる頃から採光を強くすると止まりが良い。

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矢筈虎とも言っている。完全な遺伝性班で実親からは矢筈の有る実生が得られる。おもに葉裏に矢羽根のような班が抜けて現れる。採光の仕方によって、例えば横班同様に発芽の初めから直射日光を取らずに、しだいに強めて行くと歩止りが良い。この班は横班同様、一旦班が消えても、翌年の葉には必ずあらわれる。

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はらん等に曙と言う班の名称が有り、おもとに見られる班と同じ遺伝性の班である。虎班とは別の班で、虎班と違う点は、この班も矢筈や横班同様実生で得られることで、性質はむしろ矢筈や横班に近い。この班も採光の仕方で班の残り方が違ってくる。発芽当初から次第に光線の受ける量を多くして行くと、班の歩止りが良い。卵黄色の曙、霧島、純白色の薩摩富士が有る。

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モザイク状の班で、一見バイラス症状のように見える。虎班と同じ性質で、突然変異を待つ以外に今のところこの班を得る事は不可能である。この班には、網目のように出る「網目図」、木目のように出る「木目図」、蛇目のように出る「蛇目図」とがある。図は虎と同様残雪とも言われ、大葉おもとでは「〜残雪」となり、小おもとでは「〜の図」と品種名の語尾に付けられている。虎班のように根変わりで青葉に成る事も有り、隔年の傾向が有る。性質の良い図は毎年鮮明な図を現す。

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